メッセージ

20余年に渡りマーケティングCRM(Customer Relationship Marketing)ソリューションの市場を見てまいりましたが、80年代に Maxi Marketing と言われた時代からその手法は変わっていないのが現状だと思います。また、CRMは”顧客志向のマーケティング”と言われていますが、多くの場合、販売側の一方的なコミュニケーションになっているのではないでしょうか。私共が提供して来たマーケティングCRMのソリューションも矛盾を抱えながらその域を超えていませんでした。

この混沌とした時代の中で、生活者の価値観が大きく変化しています。特に東日本大震災以降、誰かの役に立ちたいと言う社会貢献志向の高まりはその顕著な例だと思います。つまり、生活者は人生そのものに心の満足を強く求める様になって来たのです。そして、当然ながら商品に対する価値観についても、心の満足を求める変化が起こっています。

また、SNSを中心としたインターネットのインフラにより、購買プロセスも大きく変化しています。ネット上の第三者からの情報を収集し、自分の価値観に合った独自のストーリーを組み立て、そして商品選択する様になっています。

生活者は物理的価値よりも、心を動かされる情緒(社会)的価値を欲し、購買プロセスにおいては、自分で商品価値を探し独自のストーリーを組み立る。つまり、生活者は販売側からの一方的な販促メッセージには耳を傾 けなくなって来たのです。

生活者の価値観は心の時代に、そして購買のプロセスはソーシャルの時代に突入した様に思います。これからの企業が生き残るためには、本来の“顧客志向のマーケティング”/CRMを模索する事が必要不可欠になるのではないでしょうか。

私共は、経済学者マイケル・ポーター氏の提唱する、企業は経済的価値を創造しながら、社会的ニーズに対応することで社会的価値も創造する必要があると言う「共有価値の創造(Created Shared Value)」の考え方と、従来のマーケティングCRMの手法とを融合させ、企業と顧客との共有価値の創造をテーマにマーケティングCRMの進化を模索して行きます。

次世代マーケティングCRMとは”より良い社会を創造すること”だと私共は考えています。

 

株式会社サイクリックス
代表取締役 林 雅英